外資系への転職では、LinkedInと転職エージェントをどう使いこなすかで、拾えるチャンスの数も、その後の選考をスムーズに進められるかどうかも大きく変わります。
それぞれに特徴と注意点があり、正しく理解して活用できれば、他の候補者よりも一歩先を行くことができます。
この記事では、私自身が外資系へ転職した際に実際に使い、採用担当としても長年活用してきた「外資転職の主要ルート」であるLinkedInと転職エージェントについて、強みを最大化する効果的な使い分けを詳しく解説します。
読み終える頃には、多くの人が気づいていない外資系転職の進め方が見えてくるはずです。
外資系企業へ転職する代表的なルートがLinkedinと転職エージェント
外資系企業へ転職する方法はいくつかあります。
会社ホームページからの応募、転職サイト、社員紹介、LinkedInなどのSNS、転職エージェントなど。
その中でも、外資系企業の中途採用でリクルーターが日常的に最も活用しているのがLinkedInと転職エージェントです。この2つに焦点を当て、それぞれのメリット・デメリットを整理してお伝えします。
LinkedInのメリット・デメリット
外資系企業への転職を希望するなら、ビジネスSNSの代表格であるLinkedInへの登録は非常におすすめです。
外資系企業の採用担当（リクルーター）は日常的にLinkedInで即戦力人材を探しています。中途採用が多い外資では1年を通して採用活動が活発に行われています。LinkedIn以外にも転職サイトは利用しますが、LinkedInの活用度の高さは外資ならではです。
LinkedInの3つのメリット
1. 世界中のリクルーターにリーチ可能
外資系日本法人のリクルーターは日本人だけで構成されているわけではなく、外国籍のリクルーターも多く在籍しています。また、国内採用でも海外オフィスのリクルーターが担当することも頻繁にあります。
LinkedInはアメリカ発祥のサービスであり、プロフィール検索をはじめ全ての操作が英語で完結できる点が外資で多く利用されている理由の一つです。
日本の転職サイトのみの登録だと、英語での人材サーチに慣れたリクルーターに見つけてもらえない可能性があります。
2. 外資系企業の採用手法にマッチしている
LinkedInはダイレクトリクルーティング・ヘッドハンティングに最適化された設計になっています。
外資系企業は競合企業からの人材採用に積極的で、企業名が公開されているLinkedInはまさにその採用方針と相性が良いサービスです。
同じ外資系の競合企業だけでなく、日系の競合企業に在籍している人材も幅広くサーチしています。
外資の採用手法にマッチしている → 外資に入りたい人にもメリットがあるということです。
3. 個人的な財産になる
LinkedInはSNSなので、自分のネットワークがどんどん広がります。
日本国内だけではなく、海外の同業界の人・海外エージェントなどとの接点が増えることで、海外転職など思わぬチャンスにつながることもあります。
職歴を定期的にアップデートしておけば、多くのリクルーターから日常的にスカウトが届きやすくなり、転職の難易度が大きく下がります
LinkedInの2つのデメリット
1. 会社名を登録する必要がある
LinkedInは実名・経歴を掲載してこそ価値があるサービスです。会社名や役職を登録しないとスカウトされにくくなります。
公開範囲を設定することはできますが、匿名性を保つほどLinkedInのメリットが薄れてしまいます。
「LinkedInに登録すると転職活動していると思われそう」という保守的な職場で働いている人にはデメリットになる可能性があります。
2. 英語登録のハードルがある
LinkedInは日本語登録も可能ですが、海外リクルーターや外国籍の採用担当からスカウトを受けるには英文登録が必須です。
名前や会社名程度の登録は簡単ですが、職歴を英語で記載するのはハードルに感じる人もいるでしょう。
ただ、外資系企業では英文レジュメ提出が求められることが多いので、LinkedInプロフィールを英語で作成することは転職対策としても非常に理にかなっています。
詳細な経歴を書くほどにスカウトされる率が高くなります。
外資系転職ではエージェントの利用もおすすめ
特に初めて外資に挑戦する人や、複数企業の中から選んで慎重に転職先を決めたい人には、エージェントのサポートが強力な味方になります。
エージェントの種類は多くありますが、外資系へ転職したい場合は外資・グローバル企業に特化したエージェントが採用事情を理解しているためおすすめです。
転職エージェントを使う3つのメリット
1. ハイクラス求人・非公開求人を扱っている
ダイレクトリクルーティングが注目されていますが、それだけで採用を完結できる企業はほぼありません。
外資系企業では特にバイリンガル人材の採用に苦戦している企業が多く、バイリンガル人材の豊富なデータベースを持つ大手の外資特化エージェントに依頼するケースが多くあります。
私自身の経験でも採用が難しいハイクラス人材の求人や、採用部門が大々的に動けないため非公開になっている求人を、信頼のおけるエージェントに依頼することがよくありました。
非公開求人やハイクラス求人など 一般の転職市場に出回らない求人にアクセスできるのは大きなメリットです。
2. 入社後のことまで相談できる
転職で不安なのは「入社後に馴染めるのか」「転職が失敗にならないか」という点だと思います。
個人で応募して進めると企業の実情を詳しく知ることは困難ですが、外資専門で取引実績のあるエージェントであれば、カルチャー、募集背景、部署の雰囲気などまで聞けるケースが多いです。
転職後の不安を少しでも減らしたいなら、転職エージェントはとても心強い存在になります。
外資系企業の転職に強く、ハイクラス・非公開求人の扱いが多いエージェントとしてはエンワールドが代表的な存在です。
日系と外資の文化差やオンボーディング事情にも精通しているため、キャリアの方向性に迷っていても相談しやすく、企業カルチャー・配属予定チームの雰囲気・求められる人物像なども細かく共有してくれるのが特徴です。
特に初めて外資に挑戦する人や、年収アップを狙いたい人には相性が良いエージェントだと思います。
3. 年収交渉を任せられる
外資へ転職を希望する理由で「高年収」はよく挙がりますが、年収交渉の経験がある人ばかりではないと思います。
外資系は年収のレンジに幅がある為、条件の交渉に柔軟性があります。不安がある場合はエージェントに任せることでより良い待遇での採用チャンスを逃しにくくなります。
年収交渉に適切なタイミングや交渉可能な範囲などもアドバイスを受けられます。
外資系企業の選考プロセスを詳しく知りたい人は「外資系企業の転職の流れは？面接プロセスと注意点をわかりやすく解説」をご覧ください。
エージェントを使う2つのデメリット
1. コンタクトが増える
企業の採用担当と直接やり取りしたい人にとっては、間にエージェントが入ることで手間に感じる場合があります。
転職慣れしている人や自分で全て進めたい人は「逆に面倒」と感じる可能性があります。
2. 担当者と相性が合わない場合がある
上から目線／希望を聞いてくれない／応募の押し付け―こういった不満は実際よくあります。
相性が悪いまま続けるとストレスが増え、転職がうまくいかなくなることもあります。
担当変更は遠慮せず依頼しましょう。また複数エージェントを併用することで相性の良い担当者に出会いやすくなります。
結局どちらがおすすめ？
それぞれメリット・デメリットはありますが、結論は併用がおすすめです。
私自身も過去3回の転職で併用しましたし、採用側としても併用してきました。
どちらも無料で使えるので、両方を使って転職活動を進めるのが最適です。
不安がある人や幅広い求人情報を得たい人は エージェントを積極的に活用しながら、同時にLinkedIn登録を済ませる のがベストです。
LinkedInにはLinkedInでしか得られない求人や人脈があり、スカウト経由の想定外のチャンスもあります。
また、信頼できるエージェントとの出会いは長いキャリアにおいて貴重な資産になります。
仕事に迷った時に相談できる存在がいることで、キャリアの選択肢は大きく広がります。
まとめ｜外資系転職では「情報」と「選択肢」が武器になる
- 外資系転職の成功率を高めるには、幅広い求人へのアクセスと、企業カルチャーなどの内部情報の精度が重要。
- LinkedInを活用すれば、世界中のリクルーターからのスカウトや非公開求人に接点が生まれ、転職の選択肢を大きく広げられる。
- 転職エージェント は、企業の雰囲気・配属部署・年収交渉などのサポートを受けられ、転職後のミスマッチ防止にも役立つ。
- LinkedInと転職エージェントはどちらも無料で利用できるため、併用することで「選択肢の広さ × 情報の精度」を両立できる。
- 外資系に強いエージェントの例としてはエンワールドなどがあり、ハイクラス・バイリンガル人材のサポート実績が豊富。
【FAQ｜外資系転職でよくある質問】
Q1. LinkedInに登録すれば本当にスカウトは来ますか？
A. 職歴を具体的に書き、英語で登録しているほどスカウト率が上がります。逆に情報量が少ない場合はほとんど来ません。
Q2. 転職エージェントは何社ぐらい登録すればいいですか？
A. 2〜3社が最も現実的です。担当者の相性と保有求人が異なるため、1社のみだと情報が偏りやすくなります。
Q3. 直接応募とエージェント応募は併用すべきですか？
A. 併用がおすすめです。エージェントは情報提供と交渉力に強みがあり、直接応募はスピード感が出やすいです。
Q4. 外資未経験でも応募できますか？
A. 可能です。業務内容の親和性・語学力・ロジカルなコミュニケーションが揃っていれば未経験入社の例も多いです。
Q5. エージェントに登録すると必ず応募しないといけませんか？
A. その必要はありません。相談だけでも問題なく、求人紹介を受ける段階でも断ることができます。
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