新しい年が始まり、
転職を考え始めた人や、情報収集を始めた人にとって、
「今年はどんな年になるのか」
「転職市場はどう動くのか」
と気になることも多いと思います。
日本の転職市場については、
求人動向や年収レンジ、人気職種といった情報が、定期的に発信されています。
一方で、海外の転職・採用トレンドについては、
日本語でまとまって語られる機会は、それほど多くありません。
外資系企業やグローバル企業の採用を見ていると、
候補者に求めるものや採用の考え方は、すでに少しずつ変わり始めています。
そして、そうした動きの中には、
今後日本にも影響してきそうなトレンドも少なくありません。
2026年を迎え、
海外の転職市場でも、こうした変化がよりはっきりと見え始めています。
今回は、候補者側が知っておくと役に立つ採用トレンドについて、
いくつかの視点から整理してみたいと思います。
トレンド①「経験」よりも「スキル」が重視される採用が当たり前になりつつある
海外の転職市場でここ数年続いている流れの一つが、
職歴や肩書きよりも、実際に何ができるかを重視する採用です。
これまでは、
「どの会社で、どのポジションを経験してきたか」
が重視される場面も多くありました。
しかし最近では、
その人が持っているスキルや再現性、
どのような成果を出してきたのかといった点を、
より具体的に見ようとする企業が増えています。
これは、
- 市場の変化が速くなっていること
- 同じ職種でも企業ごとに求められる役割が違うことといった背景が影響しています。
候補者側としては、単に経歴を並べるだけでなく、
「自分は何ができるのか」
「どのスキルをどう活かせるのか」
を言語化する重要性が、これまで以上に高まっていると言えそうです。
トレンド② 採用プロセスは「AI前提」で設計され始めている
もう一つ、海外で顕著になってきているのが、AIの活用を前提とした採用プロセスです。
ここで言うAIは、いわゆる「人の仕事をすべて置き換える存在」ではありません。
書類の一次確認やスキルの整理、候補者とポジションのマッチングといった部分で、
AIが補助的に使われるケースが増えています。
その結果、採用担当やHiring Managerは、
より「人が判断すべきポイント」に時間を使うようになってきています。
候補者側から見ると、これは単にテクノロジーの話ではありません。
「人に会う前の段階で、どのように情報が整理されるのか」
「どんな情報が拾われやすいのか」
といった点を意識する必要が出てきています。
具体的には、
職務経歴書やレジュメの中で、
・どんな業務を担当してきたのか
・どんなスキルを使っていたのか
・どのポジション向けの経験なのか
が、第三者にも分かる形で整理されているか、という点が重要になります。
抽象的な表現や、社内用語に寄りすぎた説明よりも、
役割やスキルが端的に伝わる書き方の方が、
結果的に次の選考フェーズに進みやすくなります。
これまで以上に、職務内容やスキルの書き方、
そして「どう伝えるか」の重要性が増しているとも言えそうです。

トレンド③ リモートワークは「是非」ではなく、組織設計の問題になっている
少し前まで、リモートワークができるかどうかは、
企業選びにおける大きな判断軸のひとつでした。
しかし2026年に向けた海外の転職市場では、
リモートか出社か、という二択そのものが、あまり重要視されなくなりつつあります。
というのも、近年はAmazonやGoogleなどの大手テック企業を中心に、
出社を求める動きが強まっているのも事実だからです。
この状況だけを見ると、
「リモートワークは終わったのでは?」
と感じる人もいるかもしれません。
ただ、海外の採用やHRの文脈では、
この動きは リモート否定 とは捉えられていません。
実際には、「出社かリモートか」という働き方の話ではなく、
その企業の組織設計と、どちらが合っているかという問題として整理されています。
大手テック企業が出社を強めている背景には、
- 組織規模が大きくなりすぎたこと
- 若手育成やマネジメントがリモートでは機能しづらくなったこと
- パフォーマンス管理が曖昧になったこと
といった、組織運営上の現実的な課題があります。
一方で、中堅企業や成長フェーズの企業、
あるいは最初から分散チームとして設計されている組織では、
今もなおリモート前提の働き方が機能しています。
こうした企業では、評価は成果ベースで、
コミュニケーションは会議や即レスを前提とせず、
文書やツールを使って、各自が都合の良いタイミングで確認・対応できる非同期型が基本になっていて、
リモートで回ることを前提に仕事や組織が設計されています。
つまり、海外の転職市場で起きているのは、
- 出社に戻る企業
- リモート前提を維持・強化する企業
という二極化です。
重要なのは、リモートができるかどうかではなく、
その働き方が、その企業のビジネスや組織にとって機能しているかどうか
を見極めることです。
候補者側としても、「リモートOK」という言葉だけで判断するのではなく、
どんな前提でチームが動いているのか、どのように評価や意思決定が行われているのか、
そうした点に目を向けることが、これからはより重要になってきそうです。

トレンド④ 給与だけではなく「働く価値観」が重視され始めている
海外の採用・転職トレンドを見ていると、年収やタイトルだけでなく、
その仕事が自分にとってどんな意味を持つのか
を重視する動きが強まっています。
これは、理想論やきれいごとというより、現実的な判断の結果とも言えます。
環境の変化が激しい中で、「高い報酬」と引き換えに消耗し続けるよりも、
ある程度の裁量や安定感、心理的な余裕を重視する。
そうした価値観が、候補者側にも広がってきています。
企業側も、給与だけで人を惹きつけるのが難しくなりつつあるため、
仕事の進め方やチームの文化、成長の機会といった要素を、
より明確に伝えようとしています。
候補者側としては、「自分は何を大切にして働きたいのか」を、
言葉にできるかどうかが、これまで以上に問われる場面が増えそうです。

トレンド⑤ ミドル層・即戦力人材が再評価され始めている
海外の転職市場では、若手一辺倒だった採用の流れが、
少しずつ変わり始めています。
変化の速い環境の中で、育成に時間がかかる人材よりも、
すぐに現場で価値を出せる即戦力を求める企業が増えているためです。
その結果、30代・40代といったミドル層に対する評価も見直されつつあります。
これは、年齢が高い方が有利になるという話ではありません。
これまでの経験をどのように活かせるのか。
今ある課題に対して、どんな価値を提供できるのか。
そうした点を具体的に説明できる人にとっては、以前よりもチャンスが広がっている、
そんな空気感が出てきています。
まとめ:2026年は「準備の仕方」が変わる年
2026年に向けた海外の転職・採用トレンドを整理すると、
大きく変わってきているのは、候補者に求められる「準備の仕方」 です。
ポイントを整理すると、
• ポテンシャルよりも、再現性のあるスキルが見られている
• 採用プロセスはAI前提で設計され、情報の整理力が重要になっている
• 働き方は制度ではなく、組織設計として機能しているかが問われている
• 給与や肩書き以上に、働く前提や価値観の言語化が求められている
といった点が挙げられます。
海外のトレンドが、そのまま日本にすぐ反映されるとは限りませんが、
外資系企業やグローバル企業では、こうした考え方が先に採用に組み込まれるケースも多いです。
転職活動を始める前に、少し先の市場の動きを頭に入れておくだけでも、
選択肢の見え方は変わってくるかもしれません。
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