「外資系企業に転職したいけれど、今までずっと日系企業で働いてきたから馴染めるか不安…」
「興味はあるけれど、実際に働いたらどうなんだろう?」「転職して合わなかったらどうしよう」
そんなふうに感じる人は多いと思います。実際、私も初めて外資系企業へ転職するまではまったく同じ不安を抱えていました。
入社直後は外資系企業の働き方や文化の違いに戸惑う人もいますが、しばらくすると「意外と馴染みやすい」と感じる人も少なくありません。
その一方で、環境に合わず早期に離職してしまうケースがあるのも事実です。
外資系企業は転職者にとって馴染みやすい環境
まず前提として、外資系企業の多くは中途採用で入社した人が大半を占めます。
そのため、自分以外にも「転職してきたばかり」という人が社内に多いため、疎外感を感じにくく転職者にとって働きやすい環境です。
実際に周囲を見渡して、「この人は長年働いているベテラン社員なんだろうな」と思って話してみると、
「実は私も2ヶ月前に入社したばかりなんです」といった会話になることも珍しくありません。
つまり、お互いに「転職者」という共通点を持つため、新しく入った人の気持ちを理解してくれる環境が整っているのです。
もちろん新卒から長く働いている社員もいますが、外資では転職者が常に入ってくることが日常。
そのため、転職者に対するバリアが低く、自然に馴染める文化が根付いています。
人の入れ替わりが前提の外資系企業と即戦力採用
一方で、転職者が多い環境は、常に人の入れ替わりが発生しているという側面もあり、注意すべき点もあります。
外資系企業の中途採用は、こうした人の入れ替わりが前提となって進められているケースが少なくありません。
外資系企業の中途採用には、大きく分けて次の2つのパターンがあります。
• 事業拡大に伴う新規採用
• 退職者の欠員補充を目的とした採用
いずれのケースでも即戦力としての活躍が求められる傾向がありますが、特に欠員補充の採用では、前任者の業務を引き継ぎ、早い段階で現場に入り成果を出すことが期待されます。
ただし、引き継ぎが必ずしも丁寧に行われるとは限らない点には注意が必要です。
企業によっては、「最低限の説明だけで、あとは自分で進める」というスタンスのことも多く、必要なスキルや経験が十分でない場合、入社後に大きな負担を感じる可能性があります。
また、面接の場で実際以上に経験やスキルを良く見せてしまうと、その前提で業務がスタートするため、入社後にギャップを感じやすくなります。
外資系企業では成果が重視される傾向があるからこそ、入社後のミスマッチを防ぐためにも、面接では「できること」と「できないこと」を正直に伝えておくことが重要です。
外資の人材の流動性に関しては出戻り転職とは?外資系で再雇用(Rehire)が歓迎される理由でも解説しています。
注意点:試用期間は「形式的」ではない
外資系企業では多くの企業が3〜6ヶ月の試用期間(Probation Period)を設けています。
この期間は形式的なものではなく、実力を見極める本当の試用期間です。
もしこの期間中に成果が出せない、またはチームにフィットしないと判断されると、
試用期間の延長、もしくは最悪の場合は契約終了になることもあります。
入社直後の数ヶ月は「採用が間違いではなかった」と証明する大切な期間といえるでしょう。

外資系では自分で動く=セルフサービスの姿勢が求められる
外資系企業では「新しく入った人だから誰かがすべて準備してくれる」という発想はありません。
PCのセットアップ、社内ツールへのアクセス設定、関係部署への挨拶など、
多くのことを自分で動いて整える必要があります。
また、必要な資料や社内情報、人へのアクセスも自分から取りに行くスタンスが求められます。
ヘルプデスクへの問い合わせ、システム申請、必要なデータの入手なども自己完結型で進めるのが基本です。
これは外資系企業特有の「セルフサービス文化」に根ざしています。
誰かが指示を出してくれるのを待つよりも、自ら課題を見つけて動く人が評価されるのです。

業務サポートは最小限:自分の担当領域は自分で完結する働き方
ここまで見てきた通り、外資系企業では即戦力採用が基本となるため、上司やチームからの業務サポートは最小限にとどまるケースが多くあります。
自分の担当業務については、責任者として一人で完結できることを前提に採用されるため、周囲が細かくフォローしてくれる環境とはいえません。
それぞれが自分の成果に責任を持つ働き方が求められるため、入社直後であっても手厚いサポートを期待しすぎない方が現実的でしょう。
業務上わからないことがあっても、自分から必要な情報を探し、関係者に積極的にアプローチしなければ仕事が前に進まないこともあります。その結果、動けないまま時間だけが過ぎ、目標未達につながってしまうケースもあります。
また、業務知識を高めるための社内研修やトレーニングについても、自分で情報を探し、必要なものを選んで受講する姿勢が求められます。
そのため、指示待ちになりがちな人や、自分から動くことが苦手な人にとっては、やや厳しく感じる働き方かもしれません。
実力主義だが、裁量と自由度が高い働き方
「セルフサービス」「サポートは最低限」と聞くと、厳しい環境をイメージする人もいるかもしれません。
しかし裏を返せば、自分で考えて動ける人にとっては、非常に働きやすい環境とも言えます。
必要最低限の指示のもと、仕事の進め方や優先順位は自分で決め、成果を出すことが求められるからです。
一定の成果を出していれば、勤務時間や働き方に柔軟性を持たせやすく、上司から細かく干渉されることも多くありません。
また、人の出入りが比較的多いことから、組織の風通しが良く、立場に関係なくフラットにコミュニケーションを取りやすい点も特徴です。
外資系企業では、自分の担当範囲や役割が明確に定義されているケースが多く、その範囲でしっかり結果を出せば評価されます。
逆に言えば、他人の業務を過度に抱え込む必要もなく、自分のペースで仕事を進めやすいのは大きなメリットと言えるでしょう。
外資系企業って働きやすいの?と疑問に思う人は外資系企業のワークライフバランスの実態|本当に日系企業より働きやすい?をご覧ください。
まとめ:外資は「自由」と「責任」のバランスが特徴
外資系企業は、転職者にとって比較的馴染みやすく、成果を出していれば高い自由度を得られる職場です。
一方で、自分から主体的に動く姿勢が求められ、サポートは最小限にとどまるケースも少なくありません。成果に対してはシビアに評価される環境でもあります。
外資系企業では、社員の定着率(Retention Rate)を高めるために働きやすい環境づくりを進めている一方で、一定数の離職者が出ることを前提とした採用が行われているのも現実です。
そのため、環境や働き方が合わないと判断された場合、手厚いフォローが行われないまま、結果的に離職に至ってしまうケースもあります。
「自分の責任で動きたい」「成果で評価されたい」
そんな人にとって、外資系企業は大きなチャンスを得られる場所になるでしょう。
一方で、「成果だけで判断されるのは避けたい」「プロセスも評価してほしい」「チームワークを重視して働きたい」と考える人にとっては、外資系企業の考え方や働き方にギャップを感じ、入社後に苦労する可能性もあります。
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