外資系企業に興味がある方や、これから転職を考えている方にとって、「ヘッドカウント」という言葉は聞き慣れないかもしれません。
日系企業ではあまり使われないこの言葉ですが、外資系企業では採用や人員計画の重要なキーワードとして頻繁に登場します。
実はこのヘッドカウント、採用スピードや内定の有無にも影響を与えることがあるのです。
この記事では、外資系企業の採用担当としての経験をもとに、「ヘッドカウントとは何か?」をわかりやすく解説します。
ヘッドカウントとは?外資系企業で使われる採用用語
外資系企業で働くと、「ヘッドカウント」という言葉は日常的に使われます。
特に採用や人員管理の場面では、このヘッドカウントが「採用できるかどうか」を決める基準になります。
実際に私も採用担当として、
「人は欲しいけれど、ヘッドカウントがないから採用できない」
「今、本社と交渉してヘッドカウントを確保しているところ」
といったやり取りを何度も経験してきました。
外資の現場でよく使われるヘッドカウントの実態を詳しく解説していきます。
外資でヘッドカウントが重視される理由
ヘッドカウント=採用枠という考え方
ヘッドカウント(Headcount)は、文字通り「頭数=人数」という意味ですが、外資系企業では「部門ごとに割り当てられた採用枠」として使われます。
特に採用においては、「そのポジションに対して採用できる人数の上限」という意味で使われることがほとんどです。
例えば、部門Aのヘッドカウントが10であれば、その部門は最大10名までしか雇用できません。
この人数枠が「ヘッドカウント」です。
採用には本社承認が必要な理由
外資系企業では、本社が全体の人員計画と予算管理を担っているため、新たな採用を行う際にはヘッドカウントの承認が必要です。
現場のマネージャーが「人を増やしたい」と思っても、ヘッドカウントがなければ採用活動をスタートできません。
よく現場ではこう言われます。
「今、本社と交渉してヘッドカウントを確保しているところなんだ。」
「人は欲しいんだけど、ヘッドカウントがないから採用できないんだよね。」
実際、ヘッドカウントの新規承認を本社から取るのは簡単ではありません。
予算との兼ね合い、採用の必要性、他部門との兼ね合いなどを本社に説明し、納得してもらってようやく新規ヘッドカウントが追加されます。
部門責任者にとって、ヘッドカウントの確保は非常に重要な業務の一つです。
ヘッドカウントは採用スピードにも影響する
採用途中でヘッドカウントが承認待ちになることも
ヘッドカウントは、外資系企業の採用活動のスピードに大きく関わる場合もあります。
本来なら、
ヘッドカウント承認 → 採用開始 → 面接 → 採用決定
という順序が正しい流れです。
しかし、日本の転職市場では良い人材を見つけるまでに時間がかかることから、
ヘッドカウントの承認前に「先に採用活動だけ始めてしまおう」というケースも珍しくありません。
「ヘッドカウントは必ず取れるはずだから、先に候補者を集めておいてほしい。」
という現場判断で選考が進んでしまうことがあります。
外資系企業の選考の流れについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
最悪の場合、選考自体がストップするリスク
採用活動を進めた結果、内定目前の候補者が出ても、本社からヘッドカウントの承認が降りずに採用をストップせざるを得ないこともあります。
最悪の場合、せっかく選んだ候補者を不採用にするしかないという事態も…。
ヘッドカウントの確保は他部門との競争になることもあるため、ギリギリまで調整が続くケースも多いです。
外資系転職で欠かせない年収交渉。そのベストなタイミングを知りたい方は、こちらの記事もどうぞ!
ヘッドカウントは外資の人員・採用計画の基本
外資系企業では、「ヘッドカウント」が人員計画や採用戦略の基盤になっています。
人を採用したいなら「まずヘッドカウントの確保」という考え方が徹底されているのです。
採用担当者や人事部門は、「貴重なヘッドカウントを無駄にせず有効活用する」というプレッシャーの中で採用活動を行っています。
まとめ:転職活動で直接聞かなくても知っておきたい言葉
転職活動中、候補者側から「ヘッドカウントはありますか?」と聞くことはあまりありません。
しかし、選考が長引いたり、途中で採用の話が止まったときなど、
「もしかしたらヘッドカウント絡みかも?」
と考える視点を持っておくと、外資系企業の採用事情を少し理解できるかもしれません。
外資への転職を目指す方は、「ヘッドカウント」という採用枠の仕組みを、ぜひ頭の片隅に入れておくと良いと思います。
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