外資系企業の転職面接では、採用担当者から「他社の選考状況」を聞かれることがあります。
「正直に答えていいのか?」「具体的な企業名まで伝えるべきか?」と迷う人も多いでしょう。
実は、他社の選考状況を伝えることは不利になるどころか、むしろ有利に働くケースも多いのです。
特に外資系では同業他社の動向を気にかける文化があり、正直に伝えることで選考スピードが上がったり、条件交渉でプラスに働いたりすることもあります。
本記事では、外資系採用担当・転職エージェントとして多くの中途採用をしてきた経験をもとに、企業面接とエージェント面談それぞれのケースでの答え方や注意点を詳しく解説します。
外資系の面接プロセス全体の流れについて知りたい方は、こちらの記事も参考になります。
外資系転職面接で「他社の選考状況」を聞かれたら正直に答えるべき理由
一次面接・カジュアル面談の段階での答え方
一次面接やリクルーターとのカジュアル面談では、選考状況を聞かれることがあります。
この段階では、受けている企業名や進行度を簡単に伝えると良いでしょう。
具体的な企業名を出したくない場合は、「同業界の企業を数社受けています」と伝えるだけでも問題ありません。
重要なのは、答えを避けたり曖昧にしすぎたりせず、一定の情報を誠実に共有することです。
具体的な企業名を伝えるメリット(特に同業他社の場合)
外資系企業では、同業他社からの採用は日常的に行われています。
そのため、選考中の企業名を伝えることで、以下のようなメリットが得られることがあります。
- 採用側が「他社に取られてしまう前に採用したい」と判断し、選考をスピードアップしてくれる
- 採用担当が他社のポジションや仕事内容をよく知っており、自社との比較を前提に配慮してくれる
特に秘密性の高い案件でない限り、企業名を伝えてもデメリットはほとんどありません。
選考が進んだ段階での回答と条件交渉への活かし方
例えば、他社からすでに年収提示が出ている場合は、その金額や条件を伝えることで、希望条件に近づけてもらえる可能性があります。
ただし「自分が受諾できる最低ライン」までは直接伝える必要はありません。給与以外に重視している条件(リモート制度、キャリアパスなど)があれば、それを正直に伝えて調整をお願いすると良いでしょう。

転職エージェントに他社の選考状況を聞かれたときの答え方
正直に伝えることで得られるサポート強化
転職エージェントに選考状況を聞かれた場合も、基本的には正直に伝えた方が得策です。
エージェントは成功報酬で動いているため、競合する企業があると分かれば、あなたをサポートする優先度を上げるケースが多いからです。
紹介企業の精度向上や無駄なやり取りの削減効果
具体的に希望する業界や選考中の企業を伝えておくと、エージェントが紹介してくる求人の精度も高まります。
結果的に、無駄なやり取りが減り、効率よく転職活動を進められるというメリットがあります。
注意が必要なエージェントの特徴と見極め方
一方で注意したいのは、他社の選考状況を伝えたときに、特定の企業を否定するエージェントです。
「その会社は評判が悪い」「やめた方がいい」といったネガティブな発言で応募を取り下げさせようとするケースがあります。
そのような対応をされた場合は、そのエージェントとの取引は見切りをつけるのが賢明です。
信頼できるエージェントは、あなたの選択肢を広げるアドバイスをするのであって、候補を狭めるような言動はしません。
信頼できるエージェントを見極めたい方はこちらの記事もおすすめです。
➡︎ 転職エージェントの選び方|信頼できる担当者の見極めポイントとは?
伝える際に意識すべきポイントとNG行動
伝える範囲は「企業名」「進行度合い」「条件提示状況」まで
伝える内容はあくまで「事実ベース」で十分です。
- 企業名(言いたくなければ業界レベルでも可)
- 選考の進行度合い(一次面接、最終面接など)
- 条件提示の有無(年収提示あり/なし)
この3点を押さえていれば、十分な情報共有になります。
最低ラインや個人的な事情は伏せてOK
年収の最低ラインやプライベートな事情までは伝える必要はありません。
「どこまで妥協できるか」という交渉カードは自分の中に留めておきましょう。
他社やエージェントの悪口にはのらない
面接の場で他社を悪く言うことは絶対に避けましょう。
また、エージェントに対しても同様で、他者を否定する言動に流されず、自分で判断する姿勢を持つことが重要です。
まとめ|外資系転職では「選考状況を伝える=不利」ではない
外資系の転職面接において、他社の選考状況を聞かれたら基本的に伝えて問題ありません。
むしろ、選考スピードが上がる・条件交渉が有利になるといったメリットが期待できます。
ただし、エージェントや企業担当者によっては対応の仕方に差があるため、信頼できる相手を見極めることも大切です。
結論としては、外資系転職活動において「他社の選考状況を伝えることは不利ではなく、むしろ有利になるケースが多い」と考えておいて良いでしょう。
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