今はまさにお盆休みの真っ只中。
日本では、この時期になると多くの企業が一斉に休みに入り、帰省や旅行で各地が賑わいます。
その一方で、交通機関は大混雑。休み明けには「むしろ休みの方が疲れた」という声も少なくありません。
しかし、この「みんな同じ時期に長期休暇を取る」という文化は、海外ではあまり一般的ではありません。
海外のビジネスマンは、どのように休暇を取り、どんな過ごし方をしているのでしょうか?
この記事では、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、東南アジアのホリデー事情を紹介しながら、日本の長期休暇文化との違いを解説します。
国別・海外ビジネスマンのホリデー事情
アメリカ — 休暇は短く分散、イベント重視の文化
アメリカでは、年間の有給休暇日数は平均で10〜15日ほど。
しかも日本のようにお盆のような全国一斉の長期休暇はほとんどなく、祝日と合わせて短い休暇を複数回取るスタイルが一般的です。
最大のイベント休暇はサンクスギビング(11月末)とクリスマス〜年末年始。
特にサンクスギビングは家族が一堂に会する重要な行事で、国内の大移動が発生します。
一方で夏は数日程度のバケーションを複数回に分けて取り、長くても1〜2週間程度。
休暇中でもメールを確認する文化が根強く、完全オフは難しい人も少なくありません。
ヨーロッパ — 夏に3〜4週間の大型バカンスが当たり前
フランス、スペイン、イタリアなど多くのヨーロッパ諸国では、夏に3〜4週間連続で休むのが一般的です。
バカンス文化は法律や労働慣行に支えられており、有給消化率は非常に高い水準を維持しています。
長期休暇中はメールの自動返信で「〇月〇日まで不在です」と明記し、完全に仕事から離れるのが当たり前。
取引先もそれを尊重するため、ビジネスが一時的にスローダウンします。
この「仕事を止めても社会が回る」感覚は、日本とは大きな違いです。
オーストラリア — クリスマスから夏休みモードへ
南半球に位置するオーストラリアでは、季節が逆転しています。
クリスマス〜1月末は夏真っ盛りで、学校も長期休暇に入るため、家族での旅行やビーチリゾート滞在が盛んです。
多くの企業は12月下旬から1月初旬まで完全休業状態になり、都市部も人が少なくなります。
年明けは緩やかなスタートで、1月下旬頃から本格的に仕事モードに戻るという文化が根付いています。
東南アジア — 旧正月や宗教行事が休暇の中心
シンガポールやマレーシアなどでは、旧正月(チャイニーズニューイヤー)が最大の長期休暇。
一方、インドネシアやマレーシアのムスリム人口が多い地域では、ラマダン明けのレバラン(イド・アル・フィトル)が重要な休暇期間になります。
これらの期間は国内外の大移動が発生し、ビジネス活動はほぼ停止状態に。
特定の宗教・文化行事に基づくため、年によって日程が変動するのも特徴です。
日本との違いはここにある
- 休暇の取り方
- 日本:お盆や年末年始など、時期が固定された全国一斉型
- 海外:各自の裁量や文化行事に合わせた分散型、または超長期連続型
- 休暇中の仕事対応
- 日本:休暇中でもメールや電話対応をするケースが多い
- 海外:完全オフが前提、連絡は緊急時のみ
- 心理的ハードル
- 日本:長期休暇を取ると「迷惑をかける」意識が強い
- 海外:休暇取得は当然の権利であり、仕事と生活のバランスを重視
外資系で働く魅力や、日本企業との働き方の違いを経験者の視点で解説しています。

外資系企業で働く場合のリアル
外資系企業に勤めると、本社のカレンダーに合わせた休暇制度になる場合があります。
例えば、ヨーロッパ系の企業では現地の夏休みシーズンに合わせて3〜4週間のまとまった休暇を取るのが一般的です。
ただし、日本拠点で同じ期間を休むのは現実的に難しく、実際には1〜2週間程度に短縮して取得するケースが多くなります。それでも、国内企業に比べれば比較的まとまった休みが取りやすい環境です。
一方、アメリカ系ではサンクスギビング(11月末)やクリスマス〜年末年始に長期休暇を取る人が多く、会社としてもそれを前提にスケジュールが組まれます。
僕の経験で言うと、アメリカ企業では日本にいてもクリスマス前後から正月明けまで休みやすく、2週間前後の休みになることもありました。
この間は社内のやり取りもほとんど止まり、取引先からの連絡も激減します。まさに「会社全体が休暇モード」に入る感覚です。
ただし、日本拠点では国内の取引先に合わせる必要があるため、「海外本社は休みなのに、日本側は通常営業」というギャップに直面することもあります。
実際に僕も、ヨーロッパ拠点が3週間のバカンス中で連絡が途絶える一方、日本国内の案件は着実に動き続けており、その間は国内チームだけで対応を回すことになりました。
こうした文化差は、外資系勤務ならではの面白さであり、同時に各国のスケジュールを踏まえた調整力が求められるポイントでもあります。
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まとめ — 休み方を見直すきっかけに
お盆や年末年始は、日本ならではの長期休暇ですが、海外に目を向けると休みの取り方や価値観は驚くほど多様です。
ヨーロッパのように長期完全オフを取る文化もあれば、アメリカのように短く分散する文化もあります。
外資系企業で働くと、こうした違いを肌で感じながら、自分に合った休暇スタイルを模索できるのも魅力のひとつ。
今年の休暇は、海外の休暇文化を参考にしながら、自分にとって理想的な「休み方」について考えてみてもいいかもしれません。
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