外資系企業に転職するなら、「今より良い役職で転職したい」と思うのは自然なことです。
しかし、未経験からマネジャー職への転職は実際にはかなりハードルが高く、外資では“経験がすべて”といっても過言ではありません。
本記事では、外資系企業で長年採用に関わってきた経験から、管理職採用の実態、昇進の道筋、そして外資で求められる人材像について、リアルな視点でお伝えします。
外資系企業への転職では「経験がすべて」
転職を考えるとき、「今より良い条件で」「より高い役職で」転職したいと考えるのは自然なことです。
今は役職がなくても、次の会社ではマネジャーになりたいと考える人も多いでしょう。
でも実際は、自分の部下やチームを持つポジションへ積極的に応募しているのに、なかなか結果が出ず、自信をなくしてしまう…という声をよく聞きます。
気持ちはよくわかりますが、外資系企業の選考では募集要項に書かれていることが重視されます。
さらに言えば、外に出している求人以上に、社内で定められている詳細なJob Description(職務記述書)が存在しているのが普通です。
選考に落ちるというのは、あなたの人物が否定されているわけではなく、単に企業が求めているスキルとマッチしていないだけというケースがほとんどです。
外資系企業は「ポテンシャル採用」をしない
特に管理職(マネジャー職)の場合は、職種の専門スキルに加えてマネジメント経験そのものが必要とされます。
募集要項に「マネジメント経験3年以上必須」と書かれていることも多いでしょう。
こうしたポジションに対して、
「経験はないけど自信はある!」
という意気込みだけで応募しても、残念ながら採用される可能性はほぼゼロに近いです。
なぜなら、外資系企業ではポジションごとに責任範囲と求める能力が明確に定義されており、入社してすぐ成果を出せることが期待されるからです。
「マネジメント未経験ですが、入社後に頑張ります!」
は、基本的には通用しません。
経験年数にもシビアな判断が入る
マネジメント経験だけでなく、たとえば「マーケティング経験5年以上必須」といった要件もよく見かけます。
この場合、経験が1年ほど不足している程度であれば例外的に通ることもありますが、明らかに足りない場合は選考の対象外です。仮に入社できたとしても、会社側の期待値と本人の実力のギャップに苦しむことになります。
外資系企業は「プロのマネジャー」が大好き
マネジャーやディレクタークラスの採用では、同業他社ですでに実績を出している人材を最優先で採用します。
外資の業界は意外と狭い世界。
一度成果を出せば、他社でも信頼を得て転職しやすくなる傾向があります。
企業のトップだけでなく、現場のマネジャーや上級管理職(ディレクター・バイスプレジデントなど)も「プロ人材」として評価され、引き抜きの対象になるのが外資の特徴です。
外資で役職者になるのは「狭き門」
外資系企業の組織はフラットです。
そのため、ポジションの数自体が限られており、役職を目指すのは簡単ではありません。
仮にマネジャーが退職してポジションが空いても、内部昇進よりも外部からの実績ある人材の採用が優先されることも多いです。
昇進を狙うなら「上司の上司」に認知されよう
社内で昇進したいのであれば、チーム内で圧倒的なパフォーマンスを出すことが前提です。
加えて、自分の直属の上司だけでなく、その上の上司にも自分の存在を認識してもらうことが必要です。
そして、日頃から「将来的にはマネジャーになりたい」という希望をタイミングを見て伝えておくことも非常に大切です。
ポジションが空いた時、
「そういえば◯◯さんが希望してたな」
と思い出してもらえるかどうかが、昇進を左右します。
また、昇進のオファーが来た時には迷わず受ける勇気も必要です。
「まだ早い」「準備ができていない」と断ってしまうと、そのチャンスが二度と回ってこないこともあるので要注意です。
管理職としてのキャリアは“1回目”がカギ
外資系企業で役職者として働いていくためには、まずは一度、狭き門を突破して役職を得ることがスタートです。
一度マネジャーになって実績を出せば、次の転職でもマネジメント職としての採用がグッと楽になります。
応募先のJob Descriptionをよく読み込もう
外資系企業に転職する際は、ポジションごとに求められる経験・スキルが細かく定義されているという前提で選考に臨みましょう。
個人応募の場合はJob Descriptionをしっかり読み込み、
エージェント経由で応募する場合は、人材要件の詳細をしっかり確認することが成功の鍵です。
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