「転職したいけど、今の仕事が忙しすぎて平日は動けない。面接できるのは土日だけ…」
こうした状況の人は少なくありません。しかし、実際のところ土日しか転職活動ができない場合、転職成功率は下がる可能性があります。
本記事では、外資系企業の中途採用部門と転職エージェント双方で経験を持つ筆者が、その理由と具体的な対処法を解説します。
土日しか転職活動できない人は不利になる
結論から言えば、土日休みの企業に応募する場合、土日しか転職活動ができない人は不利になる可能性が高いです。
採用担当者や面接官が1人の候補者のために休日出勤し面接対応しなければなりません。
休日対応をお願いされること自体が負担となり、心理的には「ちょっと面倒だな」「融通が利かない候補者だな」と思われることもあります。
さらに、「常識がない」と受け取られる可能性さえあります。

実際に不利になる3つの理由
1. 日程調整の手間が増える
多くの転職希望者は業務時間を調整したり、休暇を取って面接に来ます。企業も在職中の候補者に配慮して、平日夕 方以降の面接を設けることもあります。
しかし「土日しか無理」となると、企業側は複数回の面接のたびに社員の休日出勤を求める必要があります。
2. 採用スピードで後れを取る
面接日程の調整に時間がかかるほど、採用は他の候補者から先に進んでいきます。
結果的に、機会損失が起こりやすくなるのです。
3. 印象面でマイナスに映る
時間の融通が利かない人=仕事でも柔軟性がない人という印象を与えるリスクがあります。
「本気度」に疑問を持たれることも
また最初から「土日しか面接できません」と伝えてしまうと、
「この人は本気で転職する気があるのかな?」と思われることがあります。
採用担当者は日々多くの候補者と接しています。
限られた時間の中でスケジュールを調整することは誰にとっても大変ですが、
その中で柔軟に対応できない姿勢は、本気度の低さやスケジュール管理力の欠如として見られる可能性があります。
土日しか時間が取れないときの現実的な対処法
① 平日夕方以降の面接枠を確認する
最近は平日18時以降の面接を受け付けている企業も増えています。
日中の時間帯に面接に行くことが難しい場合でも、業務終了後の夕方に対応してもらうことは可能か一度は採用担当者やエージェントに相談してみましょう。
② 有給休暇を使って面接時間を確保する
転職活動のために有給を使うことは、将来のキャリアのための一時的な自己投資です。
平日に半休や時間休を使って面接を受けることは、決して悪いことではありません。
③ WEB面接(オンライン面談)を活用する
選考の初期段階の面接ではオンライン対応してくれる企業は増えています。
昼休み中や会社の会議室から面接に参加する人も少なくありません。
オンラインなら移動時間も不要で、効率的に面接を受けられます。
事情を説明しWEB面談の実施が可能か確認してみましょう。
土日面接が許される「例外」もある
全てのケースが不利というわけではありません。
次のような人は、企業が特別対応してくれることがあります。
- 市場価値の高い候補者 希少スキルや専門職で、採用したい企業が多い人材。企業は「逃したくない」と思うため、週末や夜間でも面接を設定してくれます。
- 役員クラスやハイクラス採用 このレベルになると、企業側も柔軟に対応します。時間・場所を問わず調整してくれるケースもあります。
つまり、採用難易度の高い人材ほど、スケジュールの融通が利くということです。
時間が取れないからといって「退職してから転職」はNG
「もう時間が取れないから、退職してから転職しよう」と考える人もいますが、これはおすすめできません。
なぜなら、退職しても転職活動が有利になるケースはほとんどないからです。
- 日本企業は職歴の空白(ブランク)を嫌う傾向が強い
- 「現職中の人限定」とする求人も多い
- 条件交渉でも不利になりやすい(焦りが出るため)
日本の企業では、職歴に無職期間があるだけで書類選考で落とされるケースも実際に多くあります。
条件交渉の面でも不利になります。現職中であれば毎月の収入があるため、精神的に余裕を持ち、自分の希望条件を追求することができます。
しかし、退職してから転職活動に苦戦し始めると、給与などの希望条件を下げてでも早く内定が欲しいという気持ちになり、結果的に前職よりも低い条件での転職を受け入れざるを得なくなる人もいます。

転職活動は時間もエネルギーも必要
転職活動には想像以上のエネルギーが必要です。
仕事との両立に疲れたり、思うように進まなくて落ち込むこともあるでしょう。
それでも、苦しい期間を乗り越えた先には新しい環境が待っています。
土日しか休みが取れない中で転職を決意したということは、
すでに心は新しいステージに向かっている証拠です。
時には思い切って休みを取り、未来への準備に時間を使う勇気も必要です。
エージェントを活用して効率化する
面接日程の調整や企業とのやり取りが負担に感じる場合は、転職エージェントを活用しましょう。
エージェントがあなたに代わって企業と調整してくれるため、平日夜や土日の候補日も交渉しやすくなります。
また、転職活動中の悩み相談にも乗ってもらえる点は大きなメリットです。
エージェントってどう選べばいいの?という方は転職エージェントの選び方|信頼できる担当者の見極めポイントとは?を参考にしてください。
まとめ
- 土日しか転職活動できない人は、面接日程の調整や印象面で不利になる
- まずは平日夕方やオンライン面接など、可能な範囲で調整を試みる
- 「退職してから転職活動」はブランク・条件交渉の両面でリスクが高い
- 効率的に進めたいなら転職エージェントの活用も検討する
FAQ|土日しか転職活動できないときのよくある質問
Q1. 土日しか面接に行けないと、転職は本当に厳しいですか?
A. 不利になるケースはありますが、不可能ではありません。
企業側が日程調整しづらくなるため、選考スピードで後れを取る可能性があります。
ただし、平日夕方以降の面接やオンライン面談を活用できる場合は、十分にチャンスがあります
Q2. どうして企業は土日の面接対応を嫌がるのですか?
A. 面接官や採用担当者が休日出勤になるためです。
企業は在職中の候補者に理解がありますが、休日対応を求められると負担が大きく、
「この人は柔軟性がない」と評価される可能性もあります。
Q3. 退職してから転職活動した方がよいですか?
A. 基本的にはおすすめしません。
無職期間(ブランク)があると、書類選考で不利になることがあります。
また収入が途切れることで心理的に焦りが生じ、希望条件を下げやすくなるためです。
※例外は、心身の限界や休養が必要な場合です。
Q4. 平日にどうしても時間が取れない場合の対策は?
A. 以下の方法を検討しましょう。
- 平日18時以降の面接枠を相談
- オンライン面接の活用
- お昼休みや中抜けを活用
- 有給や時間休を使う
「どうにも動けない」ではなく、少しでも工夫して動く姿勢が大事です。
Q5. 市場価値が高い人なら土日でも面接してもらえますか?
A. はい、例外的にあります。
希少スキルや専門性があり、企業がどうしても採用したい人材であれば、
土日や夜間でも柔軟に対応してくれます。
役員クラスの採用でも同様です。
Q6. 転職エージェントは土日の支援もしてくれますか?
A. エージェント次第ですが、土日や夜間に対応してくれる場合があります。
また、企業との日程調整も間に入ってくれるため、時間を作りにくい人は活用する価値があります。
あわせて読みたい関連記事



